オンラインパチンコは違法？合法？賭博罪や逮捕事例も紹介

オンラインパチンコは、インターネットを通して好きな場所から好きなときにプレイできるパチンコやスロットのことをさします。

リアルなパチンコ店のホールからは姿を消した懐かしい4号機や5号機がラインナップされているオンラインパチンコもあり、話題をよんでいます。

しかし「違法性はないのか？」「逮捕されることはないのか？」といった心配がある方もいるでしょう。

この記事では、オンラインパチンコが違法なのか、知っておきたい法律やオンカジでの逮捕事例などを紹介しながら解説します。

オンラインパチンコで気をつけたい法律

オンラインパチンコを利用する前に必ず知っておきたい法律として「賭博開帳図利罪」と「賭博罪」の2つがあります。

賭博開帳図利や賭博罪とはどのような罪なのか、どんなときに罪に問われて逮捕される可能性があるのかについて解説します。

賭博開帳図利罪

賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
引用：刑法第186条｜e-Gov法令検索

オンラインパチンコの運営（いわゆる胴元）が逮捕されるときの罪状ですが、プレーヤーもこの法律を知っておく必要があります。

賭博罪

賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
引用：刑法第185条｜e-Gov法令検索

上記は単純賭博罪ですが、日常的に賭博をおこなっている場合はより罪の重い常習賭博罪に問われる可能性があります。

常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
引用：刑法第186条｜e-Gov法令検索

賭博開帳図利罪や賭博罪に問われるとき

日本国内で賭博を開いたり、公営ギャンブル以外の賭博を行った時に罪に問われます。

マカオやラスベガスなど、カジノ合法国へ旅行へ行って海外のランドカジノを楽しんだ経験がある人もいるでしょう。

海外旅行でギャンブルをしても逮捕されないのは、賭博開帳図利罪や賭博罪が日本国内でのみ適用される法律だからといえます。

オンラインパチンコは違法か？

オンラインパチンコが違法か合法かについては、オンラインパチンコの種類によって異なります。

どのようなオンラインパチンコなら完全に合法といえるのか、違法なオンラインパチンコとはどのようなところなのかについて解説します。

違法なオンラインパチンコ

日本国内で運営されているオンラインパチンコは違法です。

日本国内で賭博を開き、あきらかに日本で賭博をしているとなれば、胴元は賭博開帳図利罪に、プレーヤーは賭博罪に該当します。

合法なオンラインパチンコ

オンラインパチンコには、換金ができるオンラインパチンコと換金できないオンラインパチンコがあります。

このうち、換金できないオンラインパチンコは合法です。

また、換金ができなくても景品と交換できる場合もありますが、景品は資産性の高い景品でなければ賭博をしているとはいえません。

そのため、日本の企業も参入しています。

ただし、換金ができないパチンコは台の演出を楽しむのみとなってしまい、稼ぐのを目的にプレイするには不向きです。

お金がかかっていることの高揚感や興奮度もいまひとつでしょう。

グレーなオンラインパチンコ

合法とも違法ともいえないオンラインパチンコも存在します。

海外のカジノ合法国で運営されているオンラインパチンコは、グレーといえます。

換金ができるので、日本国内であれば賭博開帳図利罪や賭博罪に問われるところです。

しかし、海外のオンラインパチンコにアクセスして遊ぶということが、海外でプレイしていることになるのか、日本でプレイしていることになるのか、明確にされていないのが現状です。

パチンコ店も公営ギャンブルではない

競馬、競輪、宝くじといった公営ギャンブル以外が違法であることは明確です。

しかし、日本のパチンコ店も実質的にはギャンブルではあるものの、公営ギャンブルとしては認められていません。

ギャンブルかギャンブルではないか、という点においてはパチンコ店もいわばグレーといえます。

パチンコ店で遊んでも逮捕されない理由

公営ギャンブル以外の賭博は違法ですが、パチンコ店でパチンコをしても賭博罪で捕まることはありません。

なぜなら、パチンコは賭博とみなされておらず、賭博開帳図利罪にも、賭博罪にも問われないからです。

パチンコ店も、ギャンブル施設ではなく「遊技場」として風営法によって管理されています。

パチンコ店がギャンブル施設としてみなされていないのは、パチンコ店で換金しているわけではないからです。

とはいえ実質的にはギャンブルと捉えるのが一般的で、解釈の仕方を工夫して違法にならないようにしている、いわばグレーな状態で認められている運営のしかたといってよいでしょう。

日本に数多くあるパチンコでさえも、完全にホワイトというわけではなく、合法とされているのには解釈の工夫があるからと言えます。

オンラインパチンコも、解釈が明確になれば合法か違法かもはっきりするでしょう。

パチンコ店の換金方法「三店方式」とは

パチンコの景品交換を思い出してみてください。

三店方式といわれる方法で、現金を手にしているはずです。

三店方式についてもう少し詳しく解説します。

三店方式では、問屋・パチンコ店・景品交換所・プレーヤーの四者が登場します。

このような流れで、特殊景品とお金が流れており、パチンコ店からのお金が間接的にプレーヤーへ流れる仕組みになっています。

オンラインパチンコで処罰される可能性

換金ができず賭博性がないオンラインパチンコであれば、逮捕されたり処罰されたりする可能性はありません。

一方、換金できるパチンコの場合、日本国内で運営されているものは完全に違法であり、そのようなオンラインパチンコの利用が発覚すれば逮捕されて罰を受ける可能性が高いです。

では、グレーゾーンなパチンコの場合に逮捕されたり処罰されたりする可能性はあるのでしょうか。

過去のオンカジ利用者が逮捕された事例をもとに考えてみましょう。

オンカジで遊んだ巡査が書類送検される

一般社団法人共同通信社の2023年4月の記事によると、オンカジで遊んだ京都府警本部少年課所属の男性が賭博容疑で書類送検されているとのことでした。

京都府警は27日、オンラインカジノで金を賭けたとして賭博容疑で、府警本部少年課所属の30代の男性巡査を書類送検し、戒告の懲戒処分とした。巡査は27日、依願退職した。
引用元：https://nordot.app/1024184499195658240?c=39550187727945729

ここで注意したいのは「書類送検＝逮捕」ではないということです。

また、書類送検されたのち起訴さたのか、不起訴になったのかも不明な事件です。

有罪になったという情報も見当たりませんでした。

インターネットカジノ利用者が逮捕される

2016年の産経フォトの記事によれば、3人のインターネットカジノ利用者が逮捕されています。

自宅のパソコンから無店舗型のインターネットカジノで賭博をしたとして、京都府警は１０日、賭博の疑いでコンピューター部品製造会社経営の男（６５）ら埼玉県と大阪府の利用者の男３人を逮捕した。
　府警によると、無店舗型のネットカジノの利用者の逮捕は初めて。カジノサイトは拠点が英国とみられるが、日本人がディーラーで、日本時間の夕方から深夜に開かれており、日本国内の客に向けた違法賭博と判断し、客の立件に踏み切った。
引用元：https://www.sankei.com/photo/daily/news/160310/dly1603100036-n1.html

3人のうち2人は略式起訴（裁判をせずに刑罰をいいわたされるもので、容疑をすべて認めている軽微な犯罪でとられることが多い）を検察から打診されて応じ、罰金刑を受けました。

もう1人は逮捕への不服を主張し、弁護士をたてて裁判で闘う姿勢をみせたところ、不起訴となり刑罰を受けることはありませんでした。

また、3人はSNSやブログなどでプレイ内容などを公開していたようです。

他にもプレイしている人は多くいると思われますが、オンカジのIDやプレイの状況がわかるもの（賭けた証拠となるもの）をインターネット上に残したことから3人が逮捕されたと考えられます。

オンラインパチンコで遊ぶときの注意点

オンラインパチンコで遊ぶ際の注意点を解説します。

日本国内向けのオンラインパチンコは避ける

日本国内で運営されているオンラインパチンコは違法であり、絶対に避けるべきです。

また、オンカジの逮捕事例からもわかるように、海外で運営されていても明らかに日本人向けのサービスとなっているものは利用を避けましょう。

世界に向けてサービスを提供しているオンラインパチンコであれば、多数の言語に対応しているのは当然であり、日本語も多数の言語のなかのひとつとしてサポートされています。

インターネット上にプレイ記録などを載せない

合法とも違法ともいいきれない、グレーゾーンなオンラインパチンコのプレイ記録などを堂々と人目に触れるところへ載せるのは配慮に欠けるといってよいでしょう。

IDなどから個人情報が流出する可能性もゼロではありません。

法律の動きを追う

これから法律が整備されていく可能性もあります。

グレーゾーンだったオンラインパチンコでも、完全に違法となり処罰も明確に規定されるようになる可能性はあります。

合法・違法、どちらに転んでもおかしくない状態であることから、オンラインパチンコをプレイするのであれば法律の動きをチェックしておくことをおすすめします。

まとめ

オンラインパチンコには、完全に合法なものもあれば違法なものもあります。

また、その中間（グレー）にあるオンラインパチンコもあり、プレーヤーからすると見分けが難しいかもしれません。

違法なオンラインパチンコで遊ぶことがないよう、どこで運営されているのか、日本人向けになっていないかなどをチェックする必要があります。